京都駅から西側に行ってみよう!エリア魅力発信WEB マガジン

シリーズ特集「松尾祭」(2)|松尾七社「四之社」をご紹介(2018-2019年度)

松尾祭特集

2019/2/02

シリーズ特集「松尾祭」 第2回 (2018-2019年度)


松尾祭では一番目に神輿巡幸されます

松尾七社「四之社しのしゃ」をご紹介

千余年にわたり受け継がれる、伝統の京の神輿祭

(取材撮影協力/写真提供:松尾大社六社青年連合会、四之社會、四之社青年會)

※本シリーズの取材撮影は、2018年から2019年度にかけて行ったものです。

 

松尾七社「四之社」

松尾祭(神幸祭・還幸祭)で神輿巡幸を行う松尾七社。一番目に巡幸される「四之社」にスポットを当て、四之社の歴史、神輿巡幸での見どころや魅力をはじめ、地域に根ざした地元氏子区域での独特な取り組みや活動なども併せてご紹介します。

 

四之社しのしゃの御祭神、御由緒、氏子区域


四太神社

◎四之社の御祭神・鎮座地・御由緒

鎮座地:松尾大社境内北末社「四太神社(しのおおかみのやしろ)」

御祭神:四之太神(しのおおかみ)を祀っています。四季折々の神々で年中平安をお護りされる神とされています。
    ・春若年神(はるわかとしのかみ/別名:若年命(わかとしのみこと))
    ・夏高津日神(なつたかつひのかみ)
    ・秋比売神(あきひめのかみ)
    ・冬年神(ふゆとしのかみ/別名:久久年神(くくとしのかみ))

例祭日:12月15日

御由緒:四之太神は、秦の大神であるといわれており、松尾大社の祭礼に従事した秦氏の遠祖を祀ったものと考えられています。このように祖霊社的な意味合いを持つことから、境外に独立の社はなく、古来より松尾大社の境内に鎮座されています。なお、松尾祭では西七条御旅所にて神輿が駐輦(ちゅうれん)されます。

◎四之社の氏子区域

梅小路(東町、本町、東中町、西中町、石橋町、高畑町、イニシア梅小路公園)
西塩小路(東久保町、西久保町、石井町、コスモシティ梅小路公園)
御所之内(西町、北町、中町、本町、南町、御所之内町、ユニライフ京都西大路)

梅小路・西塩小路・御所之内の三区域が氏子区域であり、村の神輿が現在まで続いています。祭事用具、装飾品は江戸時代から使われているものが多く残っています。 

四之社の氏子区域

 

 

― 四之社會・四之社青年會の方に訊く ―
松尾七社「四之社」の神輿


松尾七社「四之社」の神輿

四之社會会長

「四之社」の神輿の特色や特徴について
いまの神輿本体の製作は約190年前で、江戸時代の天保3年(1832)のものです。
神輿に掛ける御絹衣(おきぬい)(※1)は約50年に一度のペースで新調していますが、四之社では3種類の御絹衣が現存しており、いまも祭で使用しているものは「平成の御絹衣」と「昭和の御絹衣」と呼んでいるものを使用しています。最後の御絹衣は150年以上の前のもので大切に保存しています。
轅(ながえ)(※2)については、100年に1回変えています。現在のものは約10年前に新調を行い、昨年と今年に元の轅の太さまで削る作業を行っています。昔は丹波の檜(ひのき)を使用していました。
(写真:四之社會会長 鎌部和男氏)

※1 御絹衣(おきぬい)(または御衣/おきぬ)とは、神輿の屋根に掛ける五色の布のことで、白・黄・緑・紫・緋の順に飾り付けていきます。それぞれ菊紋が入れらています。
※2 轅(ながえ)とは神輿台に置く2本の棒のことを指し、担ぎ手は神輿を担ぎます。なお、轅下(ながえした)とは氏子地域、または四之社會のことをいいます。

四之社の鳴釻(鳴鐶)

「四之社」の鳴釻

「四之社」の鳴釻(なりかん)について
鳴釻(鳴鐶 ※3)の製作は江戸時代、元治2年(1865)で約150年前のもので、現在も祭で使用しています。鳴釻(鳴鐶)本体にその刻印が記されています。鳴釻(鳴鐶)の板は鉄・銅・鉄でできており、本体自身は砲金(ほうきん/銅と錫の合金)製です。各社の音色は担ぎ方にも寄りますが、それぞれ異なります。
※3 鳴釻(鳴鐶)は全部で4つあり、神輿の轅(担ぎ棒)の先にそれぞれ取り付けられます。上下に揺さぶられることで、板が跳ね美しい音が鳴り、神輿の合図になったり厄除けになるともされています。また、京都独特のこの神輿の鳴釻(鳴鐶)は松尾祭が発祥ともいわれています。

四之社の法衣やマーク

「四之社」の半襦袢はんじゅばん(法被)やマーク
松尾大社の紋である「双葉葵」をかたどり、その中に四之社の文字をあしらっています。ちなみに、担ぎ手の帯は「黄色」で統一されています。昔は無地だったようですが、各社の区別を分かりやすくするために印字されました。

四之社會神輿部長

「四之社」神輿の担ぎ方
「ほいっと、ほいっと」の掛け声をゆっくりと行うのが四之社の特色です。
本当の担ぎ手になるには10年はかかるんですよ。昔は力仕事をしている人が多かったせいか、足腰の強い人が多かったですね。時代とともに担ぎ手の体格も変わりますし、昔ながらとは異なる担ぎ方をする方もいますね。

(写真:四之社會神輿(しんぎょ)部長 板東具隆氏)

四之社會のみなさん

「四之社」の組織とは
四之社會は、会長、副会長、会計、神輿(しんぎょ)、総務、青年會の各役職・組織で構成されています。ちなみに会長、会計、神輿(しんぎょ)は三役と呼ばれています。
月に一度程度の役員会を行い、各運営について議論検討をしています。また年に数回、四之社會の会員全員が集まる全体会議・定期総会も開催し、重要事項など承認したりします。会員は通常会員に加え、2017年より祭の当日準備や片付けのお手伝いをしていただく協力会員も設けました。38町内にて神事係という担当がおられ、説明会を年に一度行っています。

  

― 四之社會・四之社青年會の方に訊く ―
松尾祭や神輿に対する想いや考え


四之社青年会長

四之會青年會会長

四之社青年會会長に訊く、松尾祭に対する想い、魅力とは
私自身は近所の方に誘われて入ったのがきっかけです。初めて参加して驚いたことは、六基もの神輿が巡幸することが全国でも有数であること、西七条御旅所から松尾大社までの長い距離を往復すること、舟渡しの際に神輿を担いだままで皆で川の中へ入っていくことでしょうか。 京都の祭と言われて思い浮かばれることが多い、いわゆる雅(みやび)なイメージとはまた違う、勇ましい印象を持つ祭であることを実感しました。
伝統と歴史の深い京都の祭は様々ありますが、地域に密着した祭としてあり続けながら、千年以上の歴史を持っている松尾祭は、京都の魅力の一つだと感じています。

(写真:四之社青年會会長 鎌田浩典氏)

四之社の神輿

神輿の一体感

神輿を担ぐということの魅力とは
神輿巡幸は本来神事ではあるのですが、地域の皆で神輿を担ぐ面白さがあるんですよ。「ほいっと、ほいっと」の掛け声と上下に踏み鳴らすリズムが、鳴釻(鳴鐶)や鈴の金属的な響きともに一つになることを感じられる心地よさもあります。
そもそも担ぐと重いので、肉体的にも大変なのは確かです。ただ皆と交代しながら前に進んでいくうちに担ぎ手同士の連帯感、一体感のような気持ちが生まれてきて、最後のやりきった、やり遂げたという達成感、満足感は大きいものがあります。
地域の顔見知りの皆さんと、お疲れ様!と声をかけあう、そのような機会があることも良いことだと思います。

四之會青年會会長

松尾祭では、どんなところに力を入れられておりますでしょうか
運営をする上では「事故なく、怪我なく」が一番だと思います。
神輿本体は1トンを越える重いものですので、挟まれたり転んだりの危険性はあります。 そのためにも毎年3月には担ぎ方の練習会を開催していて、新しい担ぎ手さんには担ぎ方・交代のルールや笛の合図などを教えたりもしています。

(写真:四之社青年會の皆様)

 

 

― 四之社會・四之社青年會の方に訊く ―
地域での活動や皆様へのメッセージ


四之社會の皆さん

(写真:四之社會・四之社青年會の皆さん)
前列左より 神輿部長 板東具隆氏、青年會会長 鎌田浩典氏、会長 鎌部和男氏、副会長 神谷幸生氏
後列左より 青年會 矢野匠人氏、青年會 奥村和也氏、総務部長 横山浩司氏

 

 

四之社青年会長

後世に残したい、次世代に引き継いでいきたいところとは
昔ながらの伝統を大切にする、というところだと思います。
四之社の会員の間でも昔はどうであったか、祭の原点とは何かという観点で議論がされています。伝統を守るということはなかなか大変なことだと思いますが、時代が変化していく中でも「昔ながら」は意識していきたいと考えています。

四之社だより

氏子区域、地域の皆様への伝えたいメッセージ
四之社會、四之社青年會は松尾祭当日に限らず、地域に向けてさまざまな活動を行っています。
春には子供神輿で地域内を巡幸し、秋にはバーベキューやハイキングなどのレクリエーション活動を行っているほか、「四之社だより」という広報紙を年2回発行しており、年間を通した活動の報告を町内回覧でお知らせしています。
ちなみに子供神輿は、子供たちの健康や町内安全を祈願するという意味はもちろん、松尾祭で神輿が廻れないところを巡幸するという意味でも大切に行っています。
また、松尾祭以外にも地域貢献活動や奉仕活動もしています。例えば西大路小学校で、地域学習(はばたき学習)の一環として1年を通じて地域の祭や伝統の授業をしており、宗像社さんとともに授業や子供神輿のお手伝いにも行っています。

四之社の神輿差上げ

四之社の神輿

一般の方々への伝えたいメッセージ
松尾祭は、歴史の長さと規模の大きさの割にはなかなか知名度が低いように感じます。タクシー運転手さんでもご存知ない方もおられますし、祭当日のtwitterリアルタイム検索でも検索が少なく寂しい思いをしました。実際に目にするとその迫力や凄さに驚かれると思いますので、一度ぜひご覧ください。また、祭の先頭を行く「四之社」の神輿に注目していただけると嬉しいです。
多くの他府県の方々に、この松尾祭をもっと知ってもらいたいですし、それ以上にもっと地域の人々にとってもメジャーになって欲しいですね。地域で脈々と受け継いでいく祭となっていければと思います。


四之社の舟渡御

四之社の舟渡御

四之社の還幸祭(おかえり)

松尾祭の見どころや魅力など
神幸祭(おいで)の「舟渡し」は、桂川の水の青さと神輿の御絹衣(御衣)の真紅の対比の美しさがあります。
また、還幸祭(おかえり)の「拝殿廻し」は、松尾大社参道の灯りの中で、担ぎ手の熱気に圧倒されると思います。

四之會青年會会長

個人的にはおいでの七条御前の差し上げの差し上げの際、夕陽に照らされて鳴釻(鳴鐶)や鈴、神輿全体が輝いて見える瞬間があり気に入っています。
(写真左:四之社青年會会長 鎌田浩典氏)
(写真下:七条御前での差し上げの様子)

御前での差し上げ

  

四之社青年會からのお知らせ


四之社青年會では、新規の参加者・担ぎ手の方を募集しています。一緒に神輿を担がれる方々や初めて担ぐ方同士、顔を合わせて仲間になれば、祭が十倍楽しくなります!

地域の方々にとっては、地域のコミュニティに参加していただける良いきっかけにもなると思います。ぜひご友人などお誘いの上、お気軽にお問い合わせ・ご参加ください。

 

《最新情報や連絡先等はこちら》

四之社會公式facebook

「https://www.facebook.com/shinoshakai/」

上記facebookページからメッセージにてお問い合せください。

 



一覧へ

PAGE TOP