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シリーズ特集「松尾祭」(7)|松尾七社「大宮社」をご紹介(2018-2019年度)

松尾祭特集

2019/2/08

シリーズ特集「松尾祭」 第7回 (2018-2019年度)


松尾祭では六番目・最後に神輿巡幸されます

松尾七社「大宮社おおみやしゃ」をご紹介

千余年にわたり受け継がれる、伝統の京の神輿祭

(取材撮影協力/写真提供:松尾大社六社青年連合会、唐橋自治連合会、大宮会、大宮社青年会)

※本シリーズの取材撮影は、2018年から2019年度にかけて行ったものです。

松尾七社「大宮社」

(写真上:深川保「おいでスナップ」) 

松尾祭(神幸祭・還幸祭)で神輿巡幸を行う松尾七社。六番目・最後に巡幸される「大宮社」にスポットを当て、大宮社の歴史、神輿巡幸での見どころや魅力をはじめ、地域に根ざした地元氏子区域での独特な取り組みや活動なども併せてご紹介します。

 

大宮社おおみやしゃの御祭神、御由緒、氏子区域


松尾大社 本殿

◎大宮社の御祭神・鎮座地・御由緒

鎮座地:松尾社本社(京都市西京区嵐山宮町3)

御祭神:松尾社本社に祀られる二柱の神「大山咋神(おおやまぐいのかみ)」と「市杵島姫命(いちきしまひめのみこと/別名:中津島姫命)」を御祭神としています。大山咋神は山末之大主神ともいわれ、山の上に鎮座され、山及び山麓一体を支配される神で、市杵島姫命は宗像三女神の一神として、古くから水上守護の神として仰がれています。

例祭日:4月2日

御由緒:松尾社(本社)は、京都でも最古の神社とされ、太古の昔よりこの地方一体に住んでいた住民が、松尾山の神霊を祭って生活守護神としていたのが起源と伝えれれています。

(※詳細は、第1回前編を参照)

◎大宮社の氏子区域

唐橋(西平垣町、平垣町、大宮尻町、門脇町、西寺町、堂ノ前町、川久保町、井園町、花園町、羅城門町、琵琶町、南琵琶町、芦辺町、経田町、高田町、赤金町)、吉祥院西ノ庄(東屋敷町、淵ノ西町、西中町)

 

氏子区域の大部分を占める唐橋は、古くは葛野郡唐橋村といわれ、平安時代には東寺と並び西寺もあった地域です。明治23年(1890)には、葛野郡の唐橋村、西七条村、西塩小路村、梅小路村、御所ノ内村が統合され「七条村」となり、その後京都市が誕生し、大正7年(1918)になると下京区に編入されました。昭和30年(1955年)には、当時の国鉄東海道本線以南を境して南区が誕生し、唐橋地区も南区へと編入されました。

大宮社の氏子区域

◎唐橋「道祖神社」の御祭神・鎮座地・御由緒

鎮座地:京都市南区唐橋平垣町

御祭神:猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)、天宇受賣命(あめのうずめのみこと/別名:天鈿女命)

例祭日:11月中旬

御由緒:建立は不明ですが、1573年(天正元年)の創祀とされ、山城国葛野郡唐橋村の鎮守の宮として祀られました。 松尾大社の末社になったのは明治10年頃とされており、毎年11月中頃には松尾大社より神官を招き、「お火焚祭」の祈祷が七五三まいり、交通安全祈願とともに執り行われています。唐橋地区の氏神として、地元から大切に信仰されている神社です。

道祖神社での出立

道祖神社

松尾祭りでは、松尾祭の神幸祭(おいで)や還幸祭(おかえり)当日の出立(でだち)として、氏子区域内で鐶鳴らしを行いながら道祖神社へと向かい、担ぎ手が神社に集合する伝統があります。

 

 

― 唐橋自治連合会・大宮会・大宮社青年会の方に訊く ―
松尾七社「大宮社」の神輿


松尾七社「大宮社」の神輿

大宮会会長と三つ葉葵の模様

「大宮社」の神輿の特色や特徴
松尾大社にある神輿蔵は昭和2〜3年頃に盗難被害に逢う出来事があったんですが、大宮社の神輿も左半分が盗難の被害に逢ってしまい作り変えをした過去があります。現在の神輿は、40〜50年前に皆様の多大なご協力により新調したものとなっています。
各社の神輿同様、大宮社の神輿も社殿を模した千木型の神輿(宗像社の八角型神輿を除く)です。神輿の屋根の上に掛ける五色の御衣(※1)ですが、43年前に大宮社は新調したものを使用しています。
大宮社の神輿で大きな特徴といえば、神輿の屋根のレリーフが挙げられます。各社の神輿の屋根には「菊」紋様のレリーフが刻まれているのですが、大宮社のみ「三つ葉葵」の紋様が飾られています。これは、大宮社の神輿は本社に祀られる二柱神を神輿に遷すということから、「三つ葉葵」の紋様が飾られているのではないかと言われています。(写真右上)
(写真右下:大宮会 河村啓介氏)

※1 御衣・御絹衣(おきぬ・おきぬい)とは、神輿の屋根に掛ける五色の布のことで、白・黄・緑・紫・赤の順に飾り付けていきます。それぞれ菊紋が入れらています。

大宮社の鳴鐶

鳴鐶の箱

「大宮社」の鳴鐶(なりかん)について
大宮社の鳴鐶(鳴釻/なりかん)(※2)は総真鍮製で、文久2年(1864)に製造されたものを現在でも使用しています。
各社が所有する4つの鳴鐶(鳴釻)はそれぞれ同じ形状をしていますが、大宮社の鳴鐶(鳴釻)は一つひとつデザインが異なっているのが特徴で、鳴鐶(鳴釻)の両サイドには近江八景の風景がレリーフとしてあしらわれています。(写真下)
※2 鳴釻(鳴鐶)は全部で4つあり、神輿の轅(担ぎ棒)の先にそれぞれ取り付けられます。上下に揺さぶられることで、板が跳ね美しい音が鳴り、神輿の合図になったり厄除けになるともされています。また、京都独特のこの神輿の鳴釻(鳴鐶)は松尾祭が発祥ともいわれています。

近江八景の鳴鐶

  

大宮社のマーク

「大宮社」の法被(袢纏)やマーク
大宮社の法被(袢纏)の背中には、理由は不明ですが、本社と同じ剣葵のマーク「双葉葵」の紋が施されているのが特徴です。また、大宮社の帯はえんじ色で統一されています。

大宮社の神輿の担ぎ方

「大宮社」神輿の担ぎ方・巡幸
神輿や鳴鐶(鳴釻)での「ほいっと、ほいっと」の掛け声の前に、きっかけとなる掛け声が(リズム)が存在しています。
「よーぉ、ほいほいほい、こりゃせ、ほいほいほい、どっこいせ、ほいほいほい、よーぉ、ほいっと、ほいっと・・・」の掛け声(リズム)は大宮社独特のもので、各社では見られない特徴といえます。

大宮社の組織構成

大宮会会長

「大宮社」の組織とは
大宮社は「唐橋自治連合会」で運営されています。その下部組織には「松尾大社大宮会」と「唐橋学区の各種団体」の2つが存在しています。なかでも中核をなす大宮会ですが、主に神事を担当する「大宮会」と「大宮社青年会」の2つの組織で構成されています。
(写真上:神幸祭(おかえり)での唐橋西寺公園・旭ノ杜での大宮社関係者の様子)
(写真下:大宮会会長 清水不二夫氏)

  

― 唐橋自治連合会・大宮会・大宮社青年会の方に訊く ―
松尾祭や神輿に対する想いや考え


大宮社の神輿

大宮会の皆さん

大宮会関係者に訊く、松尾祭に対する想い、魅力とは
松尾祭は1000年以上も続く伝統的な祭なので、毎年関わりを持てることに誇りを持ち、携われることに感謝の気持ちを持っています。ただ、いつまで担ぎ、携われるのか、そういった不安も正直持っています。そう思えるほど、人を惹きつける力が松尾祭にはあるんです。(大宮愛好会会長 西野新一氏)
  
祭に参加することで得られる、一体感、達成感は大きな魅力だと思います。実際に経験してみないと分からないところではありますが、この一体感や達成感は古く昔からも共通した庶民の楽しみだったのではないでしょうか。(大宮会 藤井修一氏)

氏子地域(九条新千本)での差し上げの様子

大宮会青年会の皆さん

松尾祭で一番気をつけていること、神輿に対する想いや魅力など
神輿は伝統が具現化された物だと思っています。大宮会のなかの一員として保守であるべきだと思っているのと同時に、一方で青年会の一員として、昔からのルールを守りながらも革新的に新しいことにチャレンジもしていくべきだと思っています。
あと、祭のイメージ通り、威勢のある担ぎ手さんや、威厳のある役員の皆さんが実際にたくさんいらっしゃるのですが、ただ元を辿れば敷居の低い方々ばかりなんですよね。青年会としても、誰でも気軽に参加していただけるような祭を目指していけるように心がけています。

(写真左上は大宮会青年会会長 高田武哉氏)
(写真左下は大宮会青年会副会長 林篤司氏)

 

― 大宮会・大宮社青年会長に訊く ―
地域での活動や皆様へのメッセージ


大宮会の皆さん

(写真:大宮会・大宮社青年会の皆さん)
左より 松尾大社六社青年連合会会長 渡邉祐一氏、大宮会副会長 皆川文治氏、大宮会 藤井修一氏(大宮社青年会前々会長)、大宮会 河村啓介氏、大宮社青年会会長 高田武哉氏、大宮会会長 清水不二夫氏、大宮会青年会副会長 林篤司氏、大宮会会計 深川保氏
 

大宮会青年会長

後世に残したい、次世代に引き継いでいきたいところとは
現在のある大宮社のすべてですね。年老いて逝かれた方々の人材、今現役の方々でも失われつつある「知恵」と「記憶」を未来に残し、いま以上に大切にしてけたらと思っています。

大宮会青年会長

氏子区域、地域の皆様へ伝えたいメッセージなど
氏子地域の皆様には、松尾祭の神輿巡行、大宮社青年会主催の夏の盆踊りなどで、いつも大変お世話になっております。
地元唐橋の皆様のあたたかいご支援やご協力は、私たちが活動していく上でも、大きな原動力となっているため、大変感謝しています。今後も是非大宮社青年会によりいっそうの力添えとともに、引き続き宜しくお願いしたいと思っております。

大宮社青年会主催の盆踊り

大宮社青年会の盆踊り大会

毎年8月には唐橋西寺公園(西寺跡)で、大宮社青年会主催による「盆踊り大会」を開催しています。盆踊りやステージイベントをはじめ、屋台などが立ち並び、多くの地域の方々で公園が賑わいます。
また当日は、大宮社の子供神輿もお披露目されます。お祭りに来られた子供たちが実際に参加して、神輿巡行の模擬体験をしていただけるので、親御様とともに楽しんでいただいております。
あと、大宮会・大宮社青年会では、地域貢献活動や奉仕活動として、毎年地元の唐橋小学校の4年生を対象に、松尾祭や神輿についての授業を行っています。鳴鐶、神輿の千木や鈴などを持って行き、直接触れてもらいながら、地元と深く関わる松尾祭について学んでいただいたりもしています。

拝殿廻し

コンドウ山(講堂跡)への駆け上がり

松尾祭の見どころや魅力など
日本の伝統を守り、歴史を伝えつづけている京都の祭が松尾祭です。そういった観点から祭を見ていただくと、より深みのある松尾祭を見ることができると思います。
祭の見どころは各社によってもたくさんありますが、大宮社でいえば神幸祭・還幸祭の両祭で行われる「拝殿廻し」や、還幸祭での唐橋西寺公園にあるコンド山(講堂跡)への駆け上がりなどは、見応えもあると思います。ほかにも、「ほいっと、ほいっと」の掛け声の前にある、大宮社独特のきっかけとなる掛け声(リズム)、鳴鐶(鳴釻)の鳴らし方なども面白いと思います。

  

大宮社青年会からのお知らせ


大宮会の皆さん

大宮社青年会では、新規の参加者・担ぎ手の方を募集しています。一緒に神輿を担ぎ、世代を超えたコミュニケーションをしてみませんか。神輿を担ぐだけでなく、地元の方々と深い交流ができるのも魅力のひとつです。

地域の方々にとっては、地域のコミュニティに参加していただけるまたとない良いきっかけだと思います。ぜひご友人などお誘いの上、お気軽にお問い合わせ・ご参加してみませんか。

《最新情報や連絡先等はこちら》

松尾大社六社青年連合会 facebook

唐橋大宮社青年会のメールアドレスはこちら

お問合せ等は、上記、唐橋大宮社青年会のメールにてお問い合せください。

 



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